コミュニケーション授業 発表会3
2013.05.17
昨年度中学3年生で実施した「コミュニケーション授業」。今回は「青☆組」主宰の吉田小夏さんに担当していただいた、2クラスの発表会の様子をご報告します。
この2クラスは発表会までの授業の中で、修学旅行先から投函したハガキを使って班ごとに戯曲(演劇の台本)を創りました。その後で、その戯曲を他の班に渡し発表会では別の班が作品を演じることになっていました。また、修学旅行の思い出をもとにダンスを創り、あわせて発表することになっていました(詳しくはタグづけされている過去の記事をご参照ください)。
発表会ではまず戯曲を創り上げた班が、プロジェクターによってスクリーンに映し出されたその戯曲の内容について説明しました。
その後で、その戯曲を受け取った別の班が作品を演じました。
最後に2クラス全員でダンス。音楽が終わると同時に全員で決めポーズです。
発表会では、アシスタントとして参加されていた「青☆組」の俳優の方々が各班に加わり、作品を一緒に演じました。プロの俳優と一緒の舞台に立つという経験も、得難いものとなったのではないでしょうか。
今回の活動のねらいを、吉田さんは次のように語られていました。
「最近はわざわざハガキを書いて出すということしなくなってきているので、まずそのことを体験してもらいたかったのです。そしてそこに書かれた個人的な思い出を、互いにすり合わせて、大きなはがきにして物語にすること、そしてその言葉を他の人たちが引き取って、それをどのように伝え直すのかということを体験してもらいました。言葉から動きにして踊りにしたり、言葉から絵にして形にしたり、伝える手段を色々考えてもらいました」
まず大切なのは、修学旅行の思い出を各班で共有し、すり合わせて一つの作品にすることでしたが、それを他の班が引き取って、表現手段を工夫しながら、「伝え直す」という活動の意義も大きいように思いました。ここでは他人に何かを表現することだけではなく、他人の表現をできるだけ正確に理解することが求められているからです。吉田さんは、戯曲を書いた班と演じる班が異なることについては、「演劇をやる上で、作家・演出家・俳優というすべてを体験して欲しい」とおっしゃっていましたが、生徒たちにとっては、その営みを通してコミュニケーションについて体験的に学ぶ良い機会になったように思いました。
授業を終えた生徒の感想を引用します。
「自分たちがどれだけ内輪でしかコミュニケーションをとれないかということを思い知らされた。」
「相手にどのようにしたら伝わるのか、ということが一番難しく、すごく考えた。」
「劇をやるときに立つ位置を変えるだけで、感じ方が変わったので、同じ内容でも伝え方によって受け取り方は変わってしまうのだと思った。」
「修学旅行の体験がより鮮明な思い出に昇華された。深く記憶に残った」
「みんなで一つのものを作るのが面白かった。色んな意見があったからです。」
表現活動を楽しみながら、修学旅行の思い出を深め、コミュニケーションについて体験的に学ぶことができたのだと思います。
最後になりましたが、お忙しい中授業を担当してくださった吉田小夏さんと、アシスタントを務めてくださった青☆組の方々に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。